大器晩成

姉に比べてできの悪い私を見て両親はいつも「お前は大器晩成だから」と言ってくれていました。

 私を励ますつもりだったのか、はたまたなかなか成績がぱっとしない私へのある意味「お前にはもう期待しないよ」という諦めだったのかもしれません。  いつも優秀な姉と比較された私は小中学校でも「こいつのお姉ちゃんは学校で一番の成績だった」と当時の担任からみんなに紹介されました。

  そうなると子供はどうなるのか。今から考えると私は一生懸命、勉強以外で両親に褒めてもらえる道を探り続けていたようです。 勉強ではとうてい姉にはかなわないので姉の出来ないことを必死で探し、それに没頭しました。 するとますます成績は下がり両親の落胆を招きました。

当時はテレビは700までしか見れませんでした。700から900までは姉と一緒に勉強部屋で過ごすことを余儀なくされました。

 

そんな私は、(子供の頃全く勉強しろと言われたことのない妻)と結婚しました。不思議なものです。妻は執拗に勉強を迫ります。子供の頃にもっと勉強しろと言われていたら自分はもっとできたのではないかと思っているようです。私は妻のご両親のほうが正解ではないかと思っています。変な話、妻は十分賢いからです。 

 

今の子供に必要なことは「自ら考えて行動する力」だと私は思っています。

 

ラッキーなことに両親はその力だけは身に付くように私を育ててくれたようです。

その両親も他界し来年は七回忌になります。私も両親の期待に沿えるよう「大器晩成」にむけてもう少し頑張っていくつもりでおります。